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オンラインでヴィンテージ家具(作品)を購入するときにチェックしていること

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オンラインでヴィンテージ家具(作品)を購入するときにチェックしていること

私はヴィンテージ家具販売員として8年間。オンラインの”ネットショップ”でヴィンテージチェアやデザインアイテムを販売しています。モダン家具を好きになった当初は、今現在(2020年)のようにネットも発達していませんでしたので、家具を知る方法は”雑誌”や”書籍”をみたり”リアル店舗”に足繁く通いながら”新入荷の商品”が入っていないか、展示商品は変わっていないか”足で稼ぎながら”モノをみて回ってきました。

ヴィンテージ家具の蘊蓄などのストーリーを聞くことも楽しかったですし、リアル店舗も多く存在していましたので、家具屋巡りをすることも楽しかったものです。今よりも家具がアートと距離があった時代も知っています、どちらかといえばファッションに近い流行であったかなぁ。振り返るとそのように感じています。

当然、家具を購入する場合は今どきのように他店の値段よりも安いか高いかや、状態は良いか悪いかなど細かく調べることは店舗を回り続けてなければ分かり得なかったことですから、店主の想いや店内の雰囲気。雑誌から得た知識をもってアイテムを探していました。
あっ!あっちのお店の方が安かったかぁ。そんな色があったんだ。こんなデザインプロダクトがあったのかぁ。知らなかった。などたまにありましたよ。それも面白さのひとつ。そんな時代だったと思います。

現在ではほとんどの作品をネット上でみることができるので、このようなことはほとんどなくなりました。しかし、リアル店舗が減ってきた中で、自分の目で選べない。お試しで腰掛けたりすることが出来ない中では、とくにヴィンテージアイテムについては中々選びにくくありませんか。

例えば、作品集ではみかけるけど、思ったような写真が少なかったり英語のテキストだったりと、まだまだオンラインでの購入が難しいと感じる方も多いかと思います。

そこでデザインが気に入ったから購入したい!だけではなく、オンラインでヴィンテージアイテムを購入するときに個人的にどのような判断で選んでいるのか、情報の基本的な読み方や見方について書いてみようと思います。

ヴィテージ家具の情報を読む

ヴィンテージ家具の作品やアイテムのサイズなどの詳細に関しては、テキストを読めば大方理解したり判断可能だと思います。ではどこで躓いてしまうのか。もっとも多い失敗は、傷や錆の有無、ファブリックの匂い。ウレタンのコンディション。など状態に関することではないでしょうか。予めそのような状態だと分かっていれば何の問題もありませんが、思っていたよりも少しでも印象が異なったり、状態が悪かった場合は少なからずがっかりしてしまいます。この「思ったより」を減らしていくこと=失敗を減らすことです。

そこで、写真とテキストを見てそのアイテムに興味をもったら、次はテキスト下部の作品情報を見てみましょう。

ヴィンテージ家具販売員のサイト(Helvetica)では基本的に以下の順に情報を掲載しています。このルールについては、右往左往しながら2020年から統一していこうと考えているところです。

デザイナー英表記(日本語表記)
作品タイトル / メーカ (日本語表記)
制作国, デザイン年 / 製造年
素材
サイズ

例えば『PK22』の場合以下のようになります。(素材については英表記になっていました、すみません)

Poul Kjaerholm(ポール・ケアホルム)
PK22 / Fritz Hansen(フリッツハンセン)
Denmark, 1986 / 2010
leather, matte chrome-plated steel
W630×D670×H710・SH350 mm

ヴィンテージアイテムの場合はその下にさらにコンディションを記載するようにしています。
これからはYOUTUBEでご紹介していきます。なるべくイメージがし易くなるように心掛けていきたいです。
デザインされた当時に製作されたオリジナルなのか、その後に復刻されたリプロダクトなのかの記述も大切です。
※私の販売するものは、版権の期限が切れた製品を、オリジナルをベースに復刻・再生産されたジェネリックと呼ばれているアイテムの取扱いは行っていません。

しかし一筋縄では行かないのがヴィンテージ家具の面白くも難しいところ。ヴィンテージアイテムと呼べるようになるまでには30年の月日が必要になります。その中でその家具がどのような環境で扱われてきたのか、メンテナンスは行われてきたのか。少々オーバーな表現をすると、製作された年代が同じでも、1点1点が異なった雰囲気をもつ存在です。

様々な仕様が詳細された作品の情報は確認しましょう。状態が記載されている場合は、できる限り丁寧に確認した上で、これからの日常生活に耐えうる状態なのか、リセールするときに価値があるものなのかを常に念頭に置いておくとよいと思います。

より詳しく作品やアイテムも状態や情報を知りたいといった場合は、気兼ねすることなくお気軽にお問合せください。

以上を頭の隅に置いていただくと、通販でもイメージに近い買い物が可能になると思います。参考にしていただけたら幸いです。

ヴィテージ家具販売員の気をつけていること、コンディションとか

私の場合は長い間に多くの家具を実際に目にしてきましたので、作品の大きさや雰囲気はある程度なら記憶の中にインデックスされています。このアイテムでこの状態なら相場はこの辺りかなぁって決めながら選びます。

もちろん100%全てが良い買い物だったわけではありません。失敗も繰り返していますし、偽物も少なからず掴んでいます。そういう痛い思いをしてきたことが今日の姿になっているんだろうと思います。苦笑

結構失敗もしていますし、怪我もしています。なので、その経験をお伝えできたら皆さまのお役にも立てるかと思いからこの記事を記載しようと考えたキッカケです。

私の場合は金属と革、木など異なった素材で構成されている家具が好きですが、作品によってはフレームの錆は気に掛けるとよいと思います。最悪は再メッキなどの加工を必要とする場合もありますし、表面にできた錆程度ならサビ落としなどで簡単に綺麗にすることも可能ですが素材の芯にできたサビは落とせないと思っててください。ちなみに私の場合はオリジナルが好みですので余りにもひどい錆以外の場合は購入しています。

これから、厄介だと思っている”ウレタン””レザーやファブリック”についてお話しします。

ウレタン素材が使用されているヴィンテージ家具は曲者です。製造後30年程度が経過するとファブリックの中で使用されているウレタン素材は硬化しボロボロになっていることも珍しくなく、例えばアルネ・ヤコブセンがデザインしたスワンチェアやエッグチェアなどもヴィンテージアイテムともなれば、ウレタンの交換や張り地の交換が必要になってきますので、日常での使用を目的とするならコンディションのよいものを条件に加えて探すとよいでしょう。

またウレタン素材ほどではありませんが、レザーの劣化も同様です。なるべく綺麗なコンディションのものを探されるとよいでしょう。張り替えのことを気にすることもなくなりますので多少高くなったとしても状態のよい個体を選ばれてください。そしてファブリックで張り替えられている場合は、元々のメーカで張られていた生地と同じメーカの生地で張り替えられている個体を選ぶようにされてください。たとえば、デンマーク家具を扱っている家具店で見かけることが多いですが、本来はデンマークのクヴァドラ社の生地で張られていた家具を、別の生地で張っているため販売時の雰囲気からは想像が付かないと思いますが、10年後はボロボロになってしまったというケースも時折りお客様や同業の先輩からも耳にします。クヴァドラ社の生地は高価ですが丈夫であり価格には理由があるというわけです。

ヴィテージ家具アイテムのエディションとは

例えば、「Limited edition of 2000」と表記がある場合、そのアイテムは”2000個限定生産された”ということを意味します。馴染みのない方にとっては、エディション?と感じるかも知れませんが、「限定品」ということです。
アイテム毎ごとにブランディングや作品性のコントロールを行っている証です。

デザイナーが”どこどこの施設のために”デザインし製作を行ったアイテム。などの場合、おのずとエディションという表記が付きます。少しだけややこしいのですが、受注生産の作品の場合でもエディション表記を使うケースもあります。

私の好きなGuido Droccoによる『Cactus』というタイトルの、インパクト抜群のコートハンガーがあります。
その2ndエディションは20年近くの年月を掛けて販売がされたと耳にしたこともあります。

こんな風に特別な作品は海外のオークションハウスでも高く評価され、時に目玉が飛び出るような金銭的な価値を持つアイテムも現れるわけです。

ここ数年は、この潮流にも少しづつ変化の兆しが見られます。製作数を非公開にし、製作数の表記を入れずに「オープンエディション」といったカタチで販売するケースも目にする機会がふえてきました。
※エディション管理をされていない作品ですので、無限に制作し続けることのできる作品です。

 オープンエディション作品は、オリジナル作品、エディション作品に比べ希少性が低いため、安価に価格を設定することも魅力です。作品やアイテムも普及を考えると、民主的な思想だと思います。値段の吊り上げも起こりづらいですので、欲しいと思った方が買い求めやすいことが理由です。

書籍の場合、極少部数で発行し絶版になったことを話題にして取引価格が吊り上られるケースもあります。

参考になるか分からないと思いますが勢いで購入しています

私の場合は傷や汚れについては人よりもあまり気にならないため、基本的には勢いで買っていた時期もありました。さすがに売買をやっていると状態を無視してやっているとよくないと気づき少しは気に掛けるようになっています。

珍しいヴィンテージ家具作品の場合、そもそも出会う頻度も少ないため、知っている方から「買いませんか?」と案内をいただいた場合は基本的には購入しようと決めています。この場合は”縁”だと思い、相場は気にしません。

そうして購入してきたヴィンテージ椅子も2020年2月末までに105脚を超えていました。物を選びながら身銭を切ってきた経験値が失敗の確率を減らしていると思いますが、中には偽物と知りながら本物と明記し販売を行っている販売者や出品者もいます。私も数回買っています。その経験から言えることは、少しでも怪しいなぁと感じた場合は、買わないこと。どうしても気になる場合は追加で画像をお願いしたりコンディションについて納得いくまで確認をされることをお勧めします。

海外のオークションハウスへ出品する場合は、珍しい作品ほど”来歴”を確認されることも増えていますので、欲張ると失敗する傾向が私にはあります。

まとめ

ここ数年は好きだからという理由だけで”闇雲”にヴィンテージ家具を購入することは減ってきたように思います。家具は占有面積が必要になるため倉庫の保管管理も大変になってきました。そのためこれから将来的に購入していくヴィンテージ家具は、これから先のライフスアイルで使ってみたいアイテムだけをチェックするように心掛けています。事前に書籍やインターネット上から情報を収集することも欠かせません。そうしていると、アイテムの相場も徐々に掴めてきますし状態に関するデータも集められます。レザーのこの部分が痛み易いんだなぁ。とかこのあたりのウレタンが硬化しやすいのか。ファブリックの状態などです。

これからの時代はヴィンテージ家具は”生活の道具”から”資産アイテム”へと徐々に認識が変わっていくと感じています。リセールのことを考えた場合は「刻印」の有無は大切にされた方がよいと思いでしょう。サインの有無だけで作品に対する信頼性や価値が変化していきますから。

少し斜に構えて考えるなら、例えばヤフオクなどで競って家具アイテムを購入に至った場合、リセールするときも欲しい人はいると考えてみてもOKだと思いますから、最後の決めては勢いになってくるかもしれません。珍しい作品はどのマーケット。例えヤフオクであろうとギャラリーや転売をされている方、コレクターなら必ずチェックをされています。

大切なことを書き忘れていました。私の場合は国内の家具店に欲しい作品が売られていなかったこともヴィンテージ家具販売員になったキッカケでもありますので、どうしても手にしたいと感じた場合は迷いながらも購入している傾向にあります。
あとは購入したアイテムを大切に丁寧に扱っていくことによって、家具に対する尊敬の気持ちを持って接していくことができ、次の縁へと繋がっていくように感じることがあります。

皆さまにとってお気に入りのヴィンテージ家具選びの参考になれたらと願っています。